2007年11月17日土曜日

イギリス精神~「紳士の国」のダンディズム

著者名 ;小林章夫 発行年(西暦);1994 出版社;PHP研究所
 ダンディズムの発祥はどうやらボウ・ブランメルという人物にいきあたるらしい。イートンからオックスフォードに進学するがもっぱら関心は「自分のことだけ」。オックスフォードで後にジョージ4世となる皇太子と出会い、中庸にして洗練された生活スタイルを維持する。ジョージ4世が太りだすと「ビッグベン」とよび、一種傲慢な態度もみせたりする。ダンディズムの原点は「反逆の精神」であり、ヴィクトリア王朝の時代、つまり産業革命の時代に客死したブランメルの生き様はその後ボードレールたオスカー・ワイルドにも受け継がれるわけだ。19世紀のヨーロッパではぐくまれたダンディズムとその後の英国の現実主義との関係を考察。「ハワーズエンド」などにあらわれるカントリーハウスやアマチュアリズムといった題材にはことかかない英国文明論。やや手をひろげすぎた感は確かにあるが読んでいてあきない歴史文化エッセイ。

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