2007年11月15日木曜日

自己愛と依存の精神分析

著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2002 出版社;PHP研究所
 もともと上智大学での講義5回分をまとめたものということでやや硬い内容。しかし人間はそれぞれ違うものだからこそ共感の技術が大事という和田氏の主張の根拠がかいまみれる。心理学も経済学も一通り人間は同一なものとしてモデル化そいているがそこからこぼれおちる人間も結構いる。そうしたときに既存のモデルが役に立たない場合には、むしろ共感することがなによりの理解になる。理想化と鏡というのが人間が他人にもとめる役割だが、それ以外に人間同士という共感を加えてコミュニケーションがはかれるのかもしれない。学校でいえば教師は理想の対象として、そして同じ人間としての役割をはたしてはじめて生徒の理解ができるようになるのかもしれない。
 「鏡」「理想化」「双子」というのが一種のキーワードになるわけだが、ハインツ・コフートの心理学入門としてはお勧め。素人にも非常にわかりやすく、なおかつ日常生活にも活用できるように工夫されて著述されている。

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