2007年11月1日木曜日

これならわかる新会社法のすべて  

著者名 ;松田純一 発行年(西暦);2005 出版社;日本実業出版社
 新会社法のキーコンセプトとして、法典の一体化と現代化、有限会社の廃止(特例有限会社として継続)、機関設計自由の原則、定款自治の拡大、コンプライアンス(法令順守)、取締役の責任の過失責任化、合併の対価の柔軟性、剰余金の配当自由といった点があげられている。弁護士の先生が書かれただけあって内容的には一見易しそうでかなりレベルの高い議論が展開されている。中レベル程度の難易度か。対価の柔軟性の一年延期など敵対的買収に対する防衛などについても考慮がほどこされた背景などが解説されている。
 旧商法では利益の配当・中間配当・自己株式の買受などはいずれも債権者にとっては会社財産の流出だし、会社にとって見れば剰余金の株主の払い戻しに相当していたが条文がばらばらに規定されていた。これが統一的な規定となる。実質的な規制は旧商法とは変わりがないが株主持分変動計算書の作成などは相当にやっかいだと考えるべきだろう。

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