2007年11月6日火曜日

極悪がんぼ第10巻・第11巻

 ハタ事務所の所長の内部監査が始まる…ということでメンバーは各自自分が抱えている案件の処理に入る。そのおり大阪の事件屋が広島に営業攻勢をかけ、ハタ事務所で断った手形のサルベージの回収をめぐって二つの事件屋の事務所は対立状況に。
「カバチたて」のコンビ田島隆・東風隆弘の両氏が広島を舞台にまた新たな「事件屋」の様子を描写。
 ハタ事務所の所長や元警察官の冬月といったやり手の事件屋の静かな物腰が非常に怖い。一回喫茶店でその手の方々の近くの席に座ったことがあるが表向き全員紳士的で話し方も非常に静か。けっして声を荒げたり、暴力的なしぐさをみせないが雰囲気と会話の内容が非常に怖かったのを思い出す…
 手形の回収作業というのはおそらく弁護士などよりも実際に事件屋とよばれる裏の世界の住人のほうがテクニックを持っているのではないかと思う。支払期日前に回収できるかどうかがポイントになるが、相手の事件屋をつぶために、目の前で約束手形を銀行の窓口にぽんと提出してしまう場面や、大阪の僻地での「置屋」のシチュエーションなどはリアリティがありすぎて怖い。800万円の借金を背負った女性が「置屋」に身を沈めるまでのプロセスや人身売買といういいがかりをさけるための口利きやのやりとりなどこれも相当に怖い。
 
 おそらくは現在ウェブなどに出回っている一種の素人者の動画などは借金返済のために出演している女性が多いのではないか、という印象を持っている。300万円の借金を返済するために撮影だけ我慢するという出演者がかなり多いのではないか。かなりの時間拘束される「置屋」とビデオ出演のどちらを選ぶか、という選択をせまられているケースが実際ありうると思う。「金」と「手形」と「人間関係」を描写した漫画だが、必ずしも全部が全部作り話とは思えず、特に「置屋」なのに表向きは「喫茶店」というお店のお品書きの読み方や、日常生活品の異常な高さ。そして置屋の中での組合の運営方法や地元の人間がかたくなに土地を売らない理由など、かなりの取材と実体験に裏打ちされた作品ではないかと思う。「おそらく」かなりの確率でこの漫画に描かれているような「場所」「地域」は実在しそうだ…。

0 件のコメント: