末期がんの患者に逆に生きる目的と問われて沈黙する斉藤研修医。すでにルールを破ってもシステムを変えられないことを知っている斉藤は抗がん剤の投与をめぐって対立していた二人の医師の仲介を…そして永大病院に末期がん患者のケアを専門におこなう科の新設を提言する…
かつての恋人をがんでなくした一人の医師は「医学は死と向き合う学問であって救済する学問ではないのだ」とまで言い切る。医療に熱い思いをいだく青年医師たちの理想が外科では一つのまとまりをみせようとする…
末期がんでありつつも最後には家族との旅行を選ぶ辻本さん。ぼろぼろになっても生きる姿が家族に動揺とそして救いをもたらす…こうした場面に必ず描写される「大きな木」のイメージが心に残る。
末期がんの患者をこれでもかこれでもかと緻密に描き、いつしか読者自身が「死」と向かい合う状況になっているという深い読み込みが可能なコミック。どうやって死を迎えるか、死とはそんなにおそれなければならないものなのか、といって哲学的な話が展開されるがまったく退屈しない。骨太の医療漫画の一つの頂点。いつかは迎える「死」についてなぜか日常生活では考えることをなくしてしまう…。忘れたくてもやってくる自分自身の最後のあり方。そんなことも考えさせてくれる。
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