2007年10月8日月曜日

食いしん坊な脳 うつになる脳

著者名 ;スティーブン・ファーン著・石浦章一訳 発行年(西暦);2001 出版社;中経出版
 無菌状態の脳、脳の色、脳の感触、一芸に秀でる脳(サヴァン症候群)、水銀に侵された脳、縮む脳、犯罪を犯してしまう脳といった魅力的なテーマで特集された「脳」の本。果たしてどこまで科学的なのかは別として、犯罪者の脳の中に「犯罪を犯すことによってクリミナルハイとよばれる状態が出現する」などといったハードウェア重視の分析は(目新しいものではないが)もっと探求されてもよいテーマであることは事実。もしハードウェアのなにかしらの問題点が実際の行動に影響を及ぼすのであれば、もう少し裁判所なり刑法なりといった制度のあり方も変わらざるをえなくなってくるだろう。ただいずれもエッセイ風の著述であり、科学的根拠がいまひとつ乏しいのは難点か。面白いことは面白いが実生活に役立つ部分は294ページもあるわりにはあんまりないのかも。著者のスティーブン・ファーンはオーストラリア在住の人類学者だとか。

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