2007年11月11日日曜日

天下無双の建築学入門(ちくま新書)

「建築学入門」と歌っている割には実は「すむところ」に関するエッセイ集となっている。いきなり磨製土器の話から始まり、以下「縛る技術」「竹」「基礎と土台」「石柱」「校倉造」「かやぶき」「芝棟」「建材」「戸」「照明」「台所」「縁の下」と続く。建築設備の話は受験参考書だけだときわめて退屈極まりない上にその後の発展性も期待できないが、この本を読むと多少は建築設備にも興味がわいてくるという不思議な効果が期待できる(少なくとも個人的には)。建物というのも一種の「歴史」をせおっており、文化でもあるということを認識させてもくれる。

(2007年7月29日)
 その後実際に出雲大社にいく機会があり、この本に書かれていた古代木造の「柱」が何を意味するのかに思いをはせる。また省エネルギー技術以外に、既存の耐熱版などをもちいて家を建築することで、クーラーや暖房の使用量を減少させるとともに、排出された暖かい空気を地中内に展開して、ヒートアイランド現象の防止にやくだてるといったアイデアが実現化しはじめている。

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