2007年11月4日日曜日

功なき者を活かす

著者名;野村克也・筑紫哲也 発行年(西暦);1998 出版社; 光文社
 野球はチームプレイだが、その魅力は「スポーツとして不完全なところ」というスタンスで対談が始まる。一つ一つのアクションに非常に時間がかかるが、だからこそ頭で考えてプレイすることもできるし楽しむこともできる。「野球とは失敗のスポーツ」なのだが、ではその失敗を減らしていくのにはどうすればよいか。という視点が他の分野にも移植可能な「技」となっていく。それが「失敗をできるだけ少なくするために基本的な、単純作業を繰り返しやっていく。それによって確実性を求めていく。そのために練習するんだ」というセリフにつながる。
 「限定された範囲」を反復演習すること、というのは非常に重要だということをいろいろな分野で認識していたが、その反復演習をできるだけ続ける努力もまた重要だ。それが本番での失敗を減少させるというのだから、まずは「質」より「量」という発想は当然ありだし、その中でまた「基本」に立ち返るという作業はスポーツ、勉強いずれの分野にも通じることかもしれない。非常に刺激的で面白い対談集。

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