一般書籍であるが副題が「建て替えにひそむ危険な落とし穴」となっていることからわかるように、マンション建て替えに関わる種々の人間関係上のトラブルや金銭問題などをテーマとして取り上げ、その例として阪神・淡路大震災当時の事例なども取り上げられている。なぜにこの本が試験に役に立つかというと「マンション建て替え円滑化法」の立法趣旨と欠点、これから改正されるべき箇所などが事例とともに理解できうるからだ。この法律がなぜに必要だったのかという必要性と限界を生身に感じて理解できる資料として一級レベルの書籍である。東京都では今年の秋に赤坂の何某マンションで初めて建て替え円滑化法の実践事例が誕生したことが日本経済新聞で報道されていたが、一つの金額的にも巨額となる「財産」の変更行為はそうたやすいことではない。ペーパーテストではあるが、択一の背後にひそむ課題を理解するためにも重要な資料としてのノンフィクションレポートといえる。
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