2007年11月11日日曜日

コンクリートが危ない(岩波書店)

現在の建築物のほとんどにコンクリートが使用されている。しかしその構造上の特性や劣化状況についての情報は消費者や居住者にはブラックボックスとなっている。若干、イオンや化学式などの用語がでてくるので抵抗感があるが、一色とはいえ写真も掲載されており、配筋や塩化イオン、コンクリート業者や官民癒着について、研究による実証データをもとに分析した優れた入門書である。
 ともすればマンションの購入にあたってはどうでもいい付属物に目がいき、スラブなど躯体関係については見落としがちでもある。しかしコンクリートの製造方法如何ではわずか数年後には外壁や内面がぼろぼろになる例も報告されている。現在、またマンションの新築が始まっているが、消費者知識として身に着けてよい知識が満載である。

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