著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2005 出版社;ビジネス社
タイトルとは裏腹に内容は日本人の集団原理ともいえる「空気」をいかに支配するかというあたりに焦点があたる。論理的に正しいかどうかではなく、集団を支配する「空気」をいかに支配するか、という一種の「技」の話だが、保守的な人を中心にこの「空気」の重要性を当初から認識している人は非常に強い。小泉内閣もその一例で、論理的には郵政民営化反対の人の言い分にもそれなりの論理的根拠はあったが、「空気」を読むことと支配することに負けたと思う。この空気の流れが読めないと、いらないところで論理を主張するあまり集団全体の支持を得られなくなることは実は多い。会社でもおそらくいろいろな小集団を支配する空気があるが、その空気を読んで行動することが最大の目的となる。これから日本社会がいかに変化しようとある程度の根回しなどの作業は当然必要になるだろうし、また空気を読む努力を続けることも重要になるだろう。往年の山本七平の論文をもとにさらに現代風にアレンジした内容だが、きわめてプラクティカル。営業などの業種では特に「空気」を読むといった作業は必要になるし、それ以外の会議や取締役会などでも空気を読む作業は重要になる。おそらくこの本では言及されていないがEQを育成するプログラムが日本でいう「空気」を読むトレーニングにつながるのではないだろうか。
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