2007年11月10日土曜日

プレップ憲法(弘文堂)

やや内容的には古いものの憲法解釈には、歴史や社会に関する幅広い知識と教養が要求されるという論旨は一環している。おそらくは社会全体のバランスを考慮せざるを得ないためとも思われるが、主として憲法の逐条的な解釈というよりも幸福追求権を訴訟で解決するにはどうすればよいか、あるいは司法としての判断の限界などを一定程度抑制する形で書かれているのが特徴ともいえる
 また刑法200条が違憲とされるまでの経緯やその後についても言及がなされている。いきなり憲法を学習する前にはやや内容が難しすぎると感じる面とやや「常識」と考えられる面と両方が並存している本だが、ある程度問題解決には訴訟や法的判断ばかりではないということがわかってくると憲法のあり方や法的訴訟の社会的意義などが「感じる」ことができる内容ではないかと思われる。このシリーズでは商法を読んで非常に昔面白く思ったことがあるが憲法もなかなかの面白さである。

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