2007年10月7日日曜日

初等ヤクザの犯罪学教室

著者名 ;浅田次郎 発行年(西暦);1993 出版社;ワニブックス
 善良な市民が陥る「犯罪」の落とし穴として飲酒運転と大麻が紹介されている。どちらも「うっかり」ではすまないほど執行される刑が重い、という意味だが、特に飲酒運転については先日何某地方団体の職員が懲戒免職になっており社会的な問題としてまた脚光をあびつつある状況だ(関連して朝日新聞社の記者も飲酒運転で懲戒解雇となっている)。いろいろなエピソードが紹介されているが一番印象ぶかいのは整理屋とよばれる会社が倒産したときにあらわれる「債権者」の仕事のやり方。確かにこれができれば犯罪者としてはかなりの知能犯に属するのだろうが情報や金融の「表」と「裏」の両方の知識が必要、というくだりにプロの真髄をみる。もっとも著者はすでに小説家として表の世界では文化人に属する世界にいってしまってはいるのだが…。

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