著者名;塩野七生 発行年(西暦);1994 出版社;新潮社
「ロード オブ ザ リング」という映画についてはいろいろ疑問に思うところがいつかあった。割と城砦に閉じこもって「悪の大群」と戦うというシーン多く、とてつもなく強大なカタパルトが映画の中に描かれている。そして城砦はもりくも崩れ落ちるわけだが、敵が強力なカタパルトを保有していることはあらかじめわかっているのにこの城砦がすごくもろい。もっとももろくなければ映画の話が先に進まないわけであるが。
この本を読むと城砦にも歴史があり、特に大砲が発明されて以後の城砦は、厚みをまして、長いものでは5メートルにもおよび、中低層部から陸にかけて緩やかに傾斜するように設計されているのだという。
おそらくは、それが本当の城砦のあり方であって、緩やかな斜面は砲弾の直撃を緩和する効果をもつ。
こうしたトリビアな知識が満載で、しかもマルコ・ポーロやカサノバといった人材をうんだベネチア共和国(ナポレオンに滅ぼされその後オーストリアに組み込まれる商業国家)について詳しくページが割かれている。いわゆる観光業や保険業といったものにも手をそめた国家であるし、商業国家であるがゆえに言論の自由がどこよりも保証されていた。商業国家に政治的イデオロギーは必要ないわけであるから。
現在の日本とてらしあわせると非常に興味深いエピソードが満載で、いつどこから読んでも面白い。ビジネスパーソンに塩野ファンが多いという理由もよくわかる一冊である。
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