著者名;塩野七生 発行年(西暦);1993 出版社;新潮社
ヨーロッパ中世にキリスト教精神をイスラム教徒から守るために各種の騎士団が結成された。後にフランスで火あぶりにされるテンプル騎士団が有名だが、この本ではロードス島でスレイマン一世と戦った聖ヨハネ騎士団を描いている。当時のヨーロッパは都市国家から大規模な国家主義へとうねりをかえていく途中であり、スペインのカルロス1世、フランスのフランソワ1世などがしのぎをけずっていたこともあり、このロードス島にはイタリアのベネチア公国以外はあまり興味を示していなかった。それでもイスラムの軍勢の攻防に5ヶ月以上も耐え抜いたわけである。
建築学的な分析や登場人物の描写なども交え、イスラムとキリスト教徒の戦いを描き出している。聖ヨハネ騎士団はその後マルタ島へ移住するが、そこもナポレオンに追い出される。しかし驚くべきはこの騎士団は医療団体としてまだなお活動を続けているという騎士道を「実践」していることかもしれない。
滅びの美学というあたりだが、やるせなさも漂う歴史小説でもある。
0 件のコメント:
コメントを投稿