著者名;榎本博明 発行年(西暦);2003 出版社;日本経済新聞社
経営学やマーケティングの教科書にも時にフロイトは顔を出す。マズローなどは定番だがもともと心理学分野の人のはずだ。それとは逆にホーソン実験などをおこなったレスリスバーガーなどが社会学のテキストに顔を出したりするが、学際というのはこういう現象をさすのかもしれない。
さて文庫サイズの心理学応用編である。仕事自体はきわめてパブリックなものだが、その中にどれだけプライバシーの開示をしていくのかそのさじ加減に悩むことが多い。この本は別に実証データがないいわゆるビジネス本だから、その結論については、眉唾で読んでおく必要性がある。しかし、仮説をたてて行動する際の指針にはなると思われる。リーダーシップの素質というのはそれほど誰にでも与えられたものではないが、社会人の立場としてやむをえず、人の上にたたざるをえない場面もでてくる。そのときにこの本にあるようにリーダーシップとは①目標達成機能②集団維持機能とに役割を分割して、個々のスキルを明示してくれた場合、「やるべきこと」もみえてくるはずだ。相手の自尊心を尊重するなど、いわば「あたりまえ」のことについても重ねて著述されているが、そこはそれ、「やるべきこと」をあたりまえにやれる人間というのは少ないのだから、割り切ってまずは実行してみるしかないだろう。仕事の結果が2倍になるとは思えないが、少なくとも職場の人間関係の潤滑油となるスキルやキャリアアップにつながるテクをまとめた本と割り切ればよい本である。そう、しかしこの手のビジネス本に対する抵抗感というのも結構、世間にはあるが、人間関係、特に職場においてはさまざまな思惑が錯綜するので、備えあれば憂いなしの「読書」というのも必要ではないか。
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