2007年12月21日金曜日

価格戦略論  

著者名;ヘルマン・サイモン  発行年(西暦); 2002 出版社;ダイヤモンド社
 情報化社会によって地理的にはなれているというだけでは,顧客に異なった価格を提示することはできなくなった。それだけ企業の採用する経営戦略はより複雑になってきている。いわゆる価格設定は収益を確保するための最後の戦いと位置付けられ,パワー・プライサーはプライシングと価値創造を協調させようとする。スウォッチは低価格のスイス製腕時計としての市場地位を獲得したが,「生活の喜び」を与える商品としても機能した。プライシングはすぐれて企業の経営戦略にもとづくものであるが,この書籍は経営学もしくはマーケティングの観点からプライシングを緻密に分析したものである。顧客の「知覚価格」を下回るプライシングをおこない,同時に利益を獲得し,他者との競合に勝つ。こうした行動は多角的な情報処理を必要とするが,経済学のツールも用いたこの書籍では,具体的事例も含めて分析している。495
ページにもなるこの本はまた読み応えがあるが同時に難解さも相当なものだ。インターナショナルな市場価格など実際には考慮しにくい部分をとばしても,しんどいというのは事実。現段階では私の手にはちょっと…という感じの本である。

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