2007年12月21日金曜日

商品企画7つ道具  

著者名;神田範昭  発行年(西暦);1998 出版社;白桃書房
 市場に出回ったものが商品,出回らなくてもとりあえず製造されたものが製品という明確な定義づけからこの本は始まる。またサービス業も商品という概念に統一しているのは商品企画のツールは無形のサービスにも適用可能だからである。
 また企画と開発とでは,開発のほうが広義であるとして,テストマーケティングパッケージング・広告等すべてが開発に含まれるものとしている。開発のすべてをこの本で扱っているわけではなく,開発全体の最初の消費者ニーズを把握し,アイデアを展開し,コンセプトを確定する段階を「企画」としている。ともすれば種々の用語が錯綜して途中で訳がわからなくなる本が多い中,用語の定義づけがしっかりされていると後半も読みやすい。
 商品コンセプトとは粗筋までしかできていない商品イメージであり,商品力と販売力の相乗効果で売上が決定する。商品そのものがもつ魅力をいかにして企画するか。それがポイントである。商品企画の7つのツールとは具体的には,①グループインタビュー②アンケート③ポジショニング分析④発想チェックリスト⑤表形式発想法⑥コンジョイント分析(属性の組み合わせ)⑦品質表をさす。このそれぞれの7つ道具について詳細かつユニークなケーススタディを用いて説明がなされている。時代はパソコンによるきわめてデジタルな時代ではあるが,この本のアナログ的手法は現在でも十分有効なものだ。アイデア発想にこまったときには是非とも開きたい一冊である。

0 件のコメント: