2007年12月21日金曜日

商人

著者名;永六輔  発行年(西暦);1998 出版社;岩波新書
「雨が降ったら傘は二本もってでて一本は売って来いといわれました」(社会貢献と営利性の同時追及)
「商売の恩は石に刻め。商売の仇は水に流せ」
「つくるのは努力すれば誰でもできますが売るとなると才覚がありませんとね」
「商売は約束を守ることで信用を作るのが第一です」
「必要だから買うのが買い物です」
「屏風と店は広げると倒れやすくなります」
「やくざは経済評論家よりも目先がきくので景気のいい町にしかいません」
「宣伝はお客様のしてくださるもので自分でするものではありません」
「農作物もブルセラも作った人,使った人の顔が見えるものが高く売れるんです」
「農業10兆円,パチンコ産業30兆円。農村に巨大なパチンコ屋が開店するわけですよ」
 ビジネスということばよりもやはり「商業」「商人」といった言葉にこだわりと伝統を感じる。一つ一つの言葉に矛盾もあれど,それを実地にかみしめていく作業こそ伝統を継承する我々の仕事でもある。ビジネスではなく,商人という言葉や職人という言葉に集約された重みには,やはり捨てがたい魅力がある。すべての商人がこうした言葉をはけるわけではない。やはり道を極めた人間だけがいえるせりふがここには,ある。

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