2007年12月2日日曜日

理系のための研究生活ガイド

著者名;坪田一男 発行年(西暦);1997 出版社;講談社ブルーバックス
 「復習」の効果を予防接種の「ブースター」という比喩で説明してくれたり研究のテーマは「他人によく解決してくれました」というテーマで「競争がほどほど」のものを選ぶというきわめて実用的な内容である。「まずは面白いこと」を優先するというのも同感で、楽しくなければそもそも続かないわけだから、研究が楽しいと思わない人間が研究者になるのは…。さらに研究のプロセスをインプット、プロセッシング(理解)、アウトプットといった三段階に分けて考えるのも効果的。斉藤孝氏がよくいう「スタイル」というものが確立している本であり実践性が高い上に、これまで自分が読んできた種々のスキルやノウハウの蓄積方法とも共通する部分がある。完全主義者には向かない本だが、8割をまずアウトプットしてその失敗を改善してまた次のアウトプットをめざすという努力型あるいは失敗解決型の人間には向いている内容だと思う。非常に個人的には評価が高い内容だ。著者はちなみに研究資金を集める方法などやや「世俗的」なことまで懇切丁寧に解説してくれている。

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