著者名;斉藤孝 発行年(西暦);2005 出版社;筑摩書房
「電車男」「三四郎」「金閣寺」「冬のソナタ」「ノルウェイの森」などを題材にこれまで斉藤孝が書いてきたコメント力や質問力などの応用編といったところか。いや、題材としてはどうかな、とか思ったが非常に面白い。しかし真に受けて、実際の恋愛に応用しようなどとは考えないほうがいいのではなかろうか。だって題材は「電車男」を除いては全部フィクションだし。クールでソフトであることがだれにでもいいことではないとも思うし。
「ノルウェイの森」や「風の音に聞け」などを昔読んだときに感じたのはあまりにも中身がないということだった。好きな人は好きなのだろうが、こうした他人の恋愛話には興味がもともとない。「三四郎」にむしろ共感を覚えた私にとって、フィクションとしてのコメントや質問には、むしろ空々しさを感じてしまう部分がある。あくまで一つの理想とかモデルとかの分析がこの本で提示されているに過ぎない、ということは念頭においておくのがいいのだろう。そもそも余計なフィクションで恋愛するよりあまり何も考えない人間関係のほうが絶対楽。「冬のソナタ」だって実際に結婚してしまえば、その後のシュラバにどこまで二人が耐えられるかは疑問。日常生活の共有って多分テクニックでは続かないのではないかな、とも考える。
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