2007年12月23日日曜日

日本語力と英語力

著者名;斉藤孝・斉藤兆史  発行年(西暦);2004 出版社;中央公論新社
英語というのはもともとノルマン、アングロサクソンといった言語が複合してできたものだ。現在、コミュニケーション重視の名の下、英会話ごっこが学校を席巻しているらしい。もっとも斉藤孝氏などは文部科学省に対してかなり攻撃的な態度をとっているが、かなり勇気のある行動だ。ただしどっちも東大卒業生だしな。英語の専門家は東京大学の助教授だ。相当な自信がある二人だからこそいえた内容というのもある。
 反復練習・芸事の重視‥といった基礎にたちかえる論法は、かなり尊重されるべき。反復練習をとおしてみえてくるものというのも確かにある。そこに上達の原則があり、その原則をつかみとってから、別の分野にいけばよい。その意味で受験勉強や複式簿記の勉強はけっして無駄ではない。そこ得た自己肯定力に、自らを客観的にみえる力をつければ、鬼に金棒だろう。ただし両方ともそう簡単に身につくものではない。この本ではたまたま英語が話題になっているが、それはおそらく本意ではあるまい。ゆとり教育は多分もうおおかた失敗しているから、どうしようもなく学力が低下し、その結果、国際競争力が減退してもまあ、心配することはない。ただし実際の企業が「ゆとり」世代を敬遠してきたならば、逆に中高年にとってはチャンスという見方もある。ひょっとするとそうしたことまで念頭においた文部科学省の国家プロジェクトなのかもしれないと思えてきた。

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