2007年12月22日土曜日

心理学を知る辞典

著者名;和田秀樹  発行年(西暦);2004 出版社;日本実業出版社
 和田秀樹氏にはもうひとつ集英社インターナショナルから出版された類似の書籍として「痛快 心理学」があるが、この本はその本の二番煎じにあらず。用語辞典としてどこから読み始めても面白く心理学の歴史が解説されていると同時に、後半にいけばいくほど普段の生活や勉強、マーケティングなどに応用可能な事例が紹介されちている本だ。
 もともと和田秀樹氏の著作物は相当読み込んでおり、また実践にも自らうつしてその理論の成功率を見極めていると自負している。100パーセント自分自身に応用可能ではもちろんないが、ほかの著者の書籍より自分自身がプラスに活用できた部分が多い。もとより書籍をただ鑑賞して読むというのも読書のひとつではあるが、やはり実践してそれがふだんの生活にフィードバックしてくるとより前向きなライフスタイルとなる。
 知識を使って推論をするという認知科学のスタイルで、受験勉強やライフスタイルをきりとっていくのは、難しい哲学書を何冊も読むより面白く、そして実用度が高い。
 暗記主義というのはひたすら忌み嫌われる言葉だが、しかし暗記力が強い、もしくは暗記量が多いというのはけっして非難されるべき点ではない。パソコンがこれだけ便利になって肝心の人間の頭脳が衰退しないかどうか、それが心配なほどだ。ただの暗記だけでも知らないよりは知っていおいた良い。またそうしておくことでいざというときに、活用や推論ができる。
 この書籍はおそらく人口の1割とか2割を占める天才肌の人間は読者層として想定されていない。むしろ凡人であることを自覚しつつ、なんとか前向きの道を切り開こうとしている学生、社会人にとっては最適の書籍である。心理学の知識とその活用例を1,545円で入手できる。これはお勧めしたい一冊だ。

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