2007年12月22日土曜日

作家の値打ちの使い方

著者名;福田和也   発行年(西暦);2000  出版社;飛鳥新社
 一貫して戦後日本社会の偽善を鋭く批判し続けているというのが「売りの」文芸評論家であり、慶應義塾大学環境情報学部助教授でもある著者。文芸批評が機能していないのを憂えた著者が、点数評価で小説を採点したものについてその使い方を指南してくれている。だが、この人がどういおうとあまりこの人が薦める本は買いたくないというのが本音。あらためて日本のミステリーの豊穣さに感嘆しているイノセンスぶりはやはり象牙の塔の学者の特権ではある。研究費用で本は買えるのだから。しかし一般の人間にとって読書にどれだけお金をかけるかは、生活レベルでも大きな差異を生じる。こうした点数評価で文芸のなんらかの発達やらなんやらを巻き起こすには、やはりこの著者の力量では無理なのだろう。と、いうことでさらば福田和也。この人の著作物に対する私の点数評価は0点。かつ支出するお金も今後はなかろう。

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