2007年12月22日土曜日

永田町精神分析報告

著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2002 出版社;小学館
 シゾフレとメランコという二分割で政治家を分析する。ある種の役回りというものがそれぞれの政治家にはあるはずだが、それを精神科医の視点で分析。田中角栄を戦後唯一の理系的政治化と分析するあたりは「なるほど」と思わせる。教育議論については小泉内閣はあまり重視していないこともうかがわれる。もっとも事態がここまで深刻なのに自らの無謬性を主張する何某官庁もどうかしているが、別にもうドーデモイイコトなのかもしれない。若い人間の数が減少すればするほど量より質でいかなければ、いつまでたっても子どもは成長できないとは思うが。ニートに対して自己批判をもとめるのは間違いだろう。おそらく「社会そのもの」が間違っているというのもあるのかもしれない。
 きれいごとをいわなければならない政治に対して自己のパーソナリティをいつわるのをやめよ、という著者の主張にはうなづける。ただし政治議論だけに自分の小さな生活についての実用性はあまりない。そこが残念。小学館という大出版社からの本だけにもっとテーマを庶民の日常生活にそくしたもののほうがよかったのではなかろうか。

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