著者名;世阿弥編 発行年(西暦);1973 出版社;講談社
時は南北朝時代の観阿弥の口述筆記にくわえてさらに世阿弥の感想もとりれたのがこの花伝書。昔中学生ぐらいのころに日本史で学習しただけだったが、時間がたつとこうして本物の花伝書を読んでそれなりに思うところもでてきたりする。人間はそれなりに成長なり変化なりするらしい。
先輩の「風」を会得して、さらに心から心へ能楽の本質である「花」を伝えることにこの本のテーマがあるということだからタイトルは花伝書。道に励み芸を尊重して一所懸命やることをこの一族は口述で伝えていたものがこうして活字になる。とはいえその内容までふみこんでさらにこれを21世紀の実生活に活用しようという人間はそうは世間にはいないだろうから、それはそれでプライオリティではある。ただし世阿弥や観阿弥もすべてをそのまま理解できるものとは考えていないらしい。「花伝書の内容を心の奥底にしっかりしまっておき、必要に応じて少しづつとりあげればよい」と書いてあるくだりがある。こうして名作というものは時代をこえて受け継がれていくものなのかもしれない。
「花は心、種は能」
「物数をきわめて、工夫を尽くして後、花の失せぬところをば知るべし」
奥が深いが、昔ほど「わけがわからん」というわけでもない。ある種の経験がこうして実を結んできたのかもしれない。とはいえ苦労はさらに尽きないものではあるけれども。
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