2007年12月21日金曜日

その他大勢から抜け出す成功法則

著者名;ジョン・マクスウェル   発行年(西暦);2005 出版社;三笠書房
 やや最近「手詰まり」の状況にある。こうした状況では実は哲学や社会思想などほとんど役に立たない。むしろこうしたビジネス本からヒントを得てそれを自分自身で咀嚼していくプロセスでそれなりの意思決定ができてくるケースが多い。
 認知科学では自己肯定力とメタ認知を重視するとともにスキーマの変化を重視する。要は物事への見方ということだが、これは妥当な方向に変えていくのは生易しいことではない。
 自己肯定力とは自分自身に対する信頼のようなものだ。これがない人間は自分自身を否定するとともに、他人をも否定する。まずは自己肯定をどこまで貫けるかが一つのポイントとなるのであろう。そしてメタ認知とは自分自身を知るということに他ならない。時に誇大妄想的に自己評価が高い人間がいるが、それは自分自身を客観的に認識していない証拠でもある。このバランスがとれていないと結局は、意思決定を間違う。
 本書では要は、この自己肯定力をいかに高めるかとういことと、スキーマ(思い込み)をいかに排除するかにポイントが置かれているように思われる。
 その上で「ビジョン」を設定し、小さな目標から積み上げていけばよい。いきなり大きな目標設定をしてもそれはすぐには結果はでない。むしろ、小さな目標を細かく設定して、それを長期的なビジョンにつなげていくほうがおそらく「戦略」ということになるのだろう。資格マニアというのは単純に合格できる資格に限定して、それをこなしていくだけだが、これが一定のビジョンのもとに設定された場合には資格取得は、小さな目標ということになる。
 公認会計士→不動産鑑定士→経済学検定→税理士簿記論・財務諸表論といったブレークダウンの思想にもつながる。そしてそうした一連のプロセスの中で、実務経験も積むことができるのであるから、仕事と勉強は両立できるというわけだ。

 あまり斉藤孝氏の翻訳という感じがしない本だが(またタイトルどおりの内容とも思えないが)文章の間を読み込んでいくと結構深い内容を含んでいると思われる。

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