著者名;小室直樹 発行年(西暦);2003 出版社;東洋経済新報社
社会思想と現在の日本の法制度との関わりは非常に根深いことを知る。とにかくわかりやすい上に一定の理解をもとにさらに難解な書籍にも挑戦できる「きっかけ」となるので有用。しかも面白い。この本でいう「論理」は主に社会科学系統の論理だが、経済思想については個人的には一定の理解があるものと思っているのでやや退屈。しかしキリスト教と日本国憲法とのかかわりなど興味がつきない著述である。
ソビエト帝国の崩壊についても、技術革新のスピードが速まることによって、流通機構が阻害されたことが要因とも分析している。その結果在庫が蓄積され経済成長は著しく停滞したというわけだ。労働を神聖化するためにはやはり宗教改革の流れを理解しなければならないし、目的合理性についてもプロテスタントの出現を待つ必要が理解できる。ソビエト連邦にはこのプロセスがなかったためにノルマが課されるというわけだ。社会契約説についてもホッブスからロックへの流れが非常に良くわかる。ホッブスとロックの相違は、経済資源の増加が可能かどうかいうのが本質的な違いで、所有権という概念が確立されてから労働価値説が発達する。ロックは功利主義の元祖といわれているが、それは「快楽と苦痛とが人間を支配する」というモデルの確立に相違ない。
この本を読むとなぜに行政書士で世界史や社会思想が出題範囲となるかも理解できるので個人的には一石二鳥である。
0 件のコメント:
コメントを投稿