2007年12月9日日曜日

超整理日誌6 正確に間違う人、漠然と正しい人

著者名;野口悠紀雄 発行年(西暦);2001 出版社;ダイヤモンド社  
 経済学に数学は必要か、などと興味深い論考が集められている。結論からいうと「使いすぎは良くない」。
 モジリアーニ・ミラーの定理とは、企業の市場価値は企業の資金調達方法に影響されないこと。ゆとり教育と平等主義の弊害。また望ましくない状態が生じたときに、そのもたらすリスクを最小限におさえることは可能などといった魅力あるテーマが語られる。のぞましくない状況というのは一定の確率で発生が予見されるが、その予測可能範囲内で、リスクを最小限に抑制することは知性でカバーできるはず。そしてまた企業にとっても個人にとってもリスクが破滅にいたる道は回避するのが普通はあたりまえなのだが。
 さらに引用の文章も示唆に富んでいる。
 「既得権の力は思想の斬新的な影響にくらべて著しく誇張されている」(ケインズ)
 「経済学者や政治哲学者の力はそれが正しくても正しくなくても一般に考えられているよりはるかに強大である。世界は思想以外の物によって支配されることはない。どのような知的影響からもまったく自由であると信じている実務家たちも死んでしまった経済学者の奴隷であることが普通だ」(ケインズ)
 このほかにハイエクなどの思想の末端も的確に紹介されており、経済学の通説をブラウジングできるエッセイ集となっている。

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