著者名;日本博学倶楽部 発行年(西暦);2000 出版社;PHP研究所
よくある地域性のエピソードの本だが、統計学的な裏づけがないのでそもそも立証しようがない。網野義彦氏の実証研究があるのでそちらをもちろん重視すべきだが、「本当かなあ」などと思いつつ楽しみながら読むべき本だろう。
「海苔」と「昆布」のエピソードが面白い。東京は海苔文化で関西は昆布の文化だ。東京はもともと地質的に浅草海苔や葛西海苔といったものが名物になってもおかしくはない。では大阪はどうだろうか。昆布文化とはいえ大阪湾では昆布はとれない。もともと昆布は北国が産地。それが江戸を経由して関西に伝わり、昆布、佃煮といった加工食品を生むようになった。これはひとえに江戸時代の流通経路がそうだったと説明される。昆布の名産地は蝦夷の松前藩だが、ここから北前船のような西回りの船がでて江戸をとおりこしてお大阪へ届く。東回りは難所だったので松前藩から直接江戸へという流通経路は難しかったためだ。この昆布を運んだのが近江商人や若狭湾の商人。琵琶湖の水路を利用して大阪から京都まで運ばれたらしい。
また徳川家が幕藩政治にあたり江戸の街づくりを京都にまねたというエピソードも面白い。京都の鬼門にあたる東北方面に比叡山延暦寺があるが、江戸の東北にあたるところに東叡山寛永寺を設置。幕府の鎮守寺にする。さらに寛永寺の中にある清水観音は京都の清水観音堂の模造で市の不忍池は琵琶湖のつもり。さらに裏鬼門には増上寺が建立されたがこれは知恩院の模造で東本願寺、西本願寺の模造として浅草本願寺と築地本願寺があるという。さらに銀座というのはもともと京都発だとか、お稲荷さんの数は東京に多いが、実は京都の伏見稲荷大社が元祖だとかいうエピソードが面白い。
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