2007年12月21日金曜日

りそなの会計士はなぜ死んだのか

著者名;山口敦雄  発行年(西暦);2003 出版社;毎日新聞社
 「エコノミスト」の気鋭の新聞記者が、大和銀行とあさひ銀行統合直後の国有化を前にして「自殺」した会計士に迫るドキュメント。税効果会計の説明等に「還付」などの誤解を一般に招く表現もみられるが、それまで蜜月状態にあった監査法人と銀行とが、次第に「監査される企業」「監査する会計士集団」との健全な関係になりゆくプロセスを描いている。この本とセットで「ヨミウリウィークリー8月22日・29日号」の「UFJ行員を待つリストラ」などの記事をあわせ読むと、銀行が合併に動く要因の一つがみえてくる。監査法人と蜜月状態にあった時代には多少の「主観的会計操作」み見逃してくれていたはずだ。しかしひとたび企業が倒産した場合には、役員には巨額の株主訴訟・損害賠償訴訟・刑事訴訟がかされる上、監査法人の代表社員もおそらくは無限連帯責任を負う時代となっている。また国有化された場合、経営が透明化されるため都合が悪くなる人間も多数でてくるはずだ。メガバンク時代といいながら、銀行の合併には倒産リスクの裏にかくれたドロドロがいろいろあることは察しがつく。
 著者は20代でこの本を書かれたようだ。個人的には物足りない調査報告でもあるが、知っててかけない取材結果も多かったのだろう。2003年時点での問題提起が2004年の現在も「役者」を変えて進行している。これは「経済書籍」というよりも、リアルタイムでの歴史物と考えたほうがいいのかもしれない。

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