著者名;石田かおり 発行年(西暦);2000 出版社;講談社現代新書
人間の身体を加工するという欲求を歴史を通じて検証する。新書サイズなので、読みやすくまた著者のメッセージも伝わりやすい。ただし巻末の膨大な参考書籍のコンパクト版といった印象も免れないが、それは新書サイズの限界かもしれない。
とはいえ、身体の加工といった観点から衛生面と化粧といった関係の考察や、ロココ調にみられるかつらの始まり。また電車内での化粧に対する社会学的考察など実生活を新たな視点でみることができるのは、この著者の力量だろう。
平安時代の畳は板敷きで、室町時代以後に青畳となるといった豆知識も豊富で非常に勉強になる。理想社というところから「おしゃれの哲学」という本もだされているようだが、機会があれば読んでみたい。
化粧といった作業は男性にも大いに関係あること。また人間の生活には不可避なものであること、またそのリスクについても述べられており、歴史や生活を違った側面から認識できる点で非常に面白い。
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