2007年12月21日金曜日

コトラーの戦略的マーケティング

著者名;フィリップ・コトラー 発行年(西暦);2002 出版社;ダイヤモンド社
フィリップ・コトラーはマーケティングの代名詞ともいえる。この本は20年間の教授のマーケティングセミナーのエッセンスをまとめたものである。学者であると同時に,コンサルタントとしてIBM,シェル,フォードなどの経営コンサルティングにも係っている。唯一の企業の競争優位は企業としてどこよりも早く学習し,すばやく変化を遂げる以外にはないと述べ,成功するマーケティング手法が一つに限定されないことも明らかにしている。データベースの構築は今はだれでもできるようになったがそれを活用する情報スキルこそが重要となってきている。マーケティングは顧客の注意や関心をひきたいという欲望を科学的に表現したものである。そのためには価値のあるものを提示しなければならない。またマーケティングは需要の拡大とともにその管理をもおこなう必要性がある。ビットがアトムに変わる現在,テクノロジーは商品という概念そのものを変貌させようとしている。そうした変化に対応するためにはやはり学ぶ能力が必要である,ジャックウェルチは「変化するか,さもなければ死ぬだけだ」といった。学習する組織へどうすれば転換できるのかが一つの大きな課題といってよい。市場シェアが高いからといって利益率が高いというわけでもなく,多少の製品改良が新製品といえるわけでもない。また顧客の期待を上回ることも至難の技ではあるがそれはやらなければならない。ビジネスとは,顧客の期待の上をいくための創造性に富んだ方法をみつけることによって顧客を維持することである。顧客ロイヤルティをいかに育成するかはこれからの大きな課題であるが,それはまたビジネス教育を推進する立場からも同様のことがいえるのかもしれない。企業は小さな市場機会となりうるマーケティングセルを設定するが,そうしたセルはこれからさらに細分化するのかもしれない。
 とはいえイノベーションにはリスクがともなう。しかしイノベーションを行なわなければ破滅がともなう。
 会社の悪口は指数関数的に拡大する。しかし不満が解消した顧客は不満を感じたことがない顧客よりも高いロイヤルティを示すことになる。強い苦情を訴えた顧客の34パーセントは再びその企業の製品を購入している。人びとは広告やウェブよりも身近な人間の口コミの方を信用するのだからやはり人間関係に置いて,身近な人間の信頼性は重要だ。
 製造業とサービス業を区別する時代も終了しようとしている。全ての企業は同時にサービス企業でなければならない。
 そしてまた個人のキャリアアップにもつながるが,計画はやはり策定しなければならない。できあがってくるプランにたいしてよりも策定するプロセスの方が重要なのだ。こうしてみるとマーケティングが一種の学習ゲームであり,意思決定をおこない,その結果から学ぶ。そして意思決定の能力を高めていくのである。
 これからビジネスにおける時間と距離の縮小化は避けられない。そして規模がそのメリットを享受する時代も終了した。既存の販売方法に依拠することなく新しい販売方法を模索する必要がある。そしてまた,こうした最新の社会科学の進歩はまた,ビジネスパーソンがみがくべきスキルの一つに「情報」[数学」「観察」といったものがあることをも示唆してくれているのである。

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