著者名;藤原和博 宮台真司 発行年(西暦);1999 出版社;筑摩書房
この本の一番最後の評論が一番面白い。成熟社会になれば、「国民国家」としての意識を保ちにくくなる‥というくだりである。成熟社会であればあるほど個人のライフスタイルは多様化する。だいたい1970年代が高度経済成長期から多様化の時代に入ったといってもいいかもしれない。第二次世界大戦までは「仲間」や「国家」というのはある種の価値観の共有があったが、現在ではウェブで海外の人間ともコミュニケーションがとれたりする。こうした現象を「国家のハイブリッド化」というらしい(社会学の用語のようだ)。先進諸国は1970年代にそうしたライフスタイルの多様化から「みんな仲良し」という教育政策を次々とやめていった。現在でもそうしたスタイルをとっているのは日本だけだという指摘がなされているが、確かにそうかもしれない。ただし筆者は「みんななかよし」精神ではなく「多様化しているからこそ他人が何をするかわからない警戒心をもて」と説く。確かにイトートーカドーなどで発生した想像もできない惨劇をみても「何」が発生するか本当にわからない。「どんな状況でもいいたいことが正しくいえるようになる」というのが「自立」であり、相互貢献というルールを決定するのが成熟社会の一つのあり方とする。そしてそこでは協調性よりも自立性のほうが重要なのかもしれない。
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