著者名;弥永真生・足田浩 発行年(西暦);1999 出版社;中央経済社
税効果会計基準が導入される前に執筆された本だが、税効果会計を導入した場合のメリットやその必然性、そして各国の税効果会計の状況などを緻密に調査し、一冊の本としてまとめられている。現在でもまだその内容は古びておらず、充分読むに値する一級の書籍であろう。財務会計ベースの当期純利益と税引き後の当期純利益とでは、必ずしも対応関係にはないが、まず「繰延法」による収益費用アプローチの観点から税効果会計が説明され、その後資産・負債アプローチや制度比較がなされるという構成になっている。この場合、資産や負債の定義が問題となるが、「繰延税金資産の貸借対照表能力」というところに重点を置いてかなりの文章がさかれている。日本の企業会計の場合には負債の定義が問題にされたことはなく、ただ曖昧に法的義務のことをさすと解釈されてきたが、最近の新会計基準の動向をみるかぎり、負債の概念は拡大している。ただ狭く税効果会計を理解するだけの書籍ではなく、国際会計基準委員会や日本の旧企業会計審議会がいかなる問題に取り組んできたかも解明してくれる資料としても有用である。
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