2009年1月1日木曜日

ビジネスマンのための「発見力」養成講座(Discover)

著者:小宮山一慶 出版社:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 発行年:2007年 評価:☆☆☆
 ディスカバー携書の012番。扱っている材料やテーマはPPMなど古典的手法が多いのだが、PPM一つにしても小林製薬と花王の社風を比較したり、マズローの欲求五段階説に具体的な商品・サービスの購入をあげたりと、具体例を豊富に挙げることがわかりやすさにつながっているのが印象的。一つのデータから「点」「線」「立体」と関連付けでどんどん深みを与えていく手法の説明もわかりやすい。「発見力」というのは著者の造語と思われるが、本書122ページあたりの文章からすると「ビジネスマン」の中でも企画や創造的な仕事に役立つことを念頭において書かれた本と想定される。149ページの「一部を取り替える」というのも具体的で実行しやすい。個人的にはパソコンのHDDの中のファイルやフォルダを定期的に入れ替えたり、削除しているがそのたびごとにフォルダのネーミングやファイルの並び、さらに本当に必要なデータかどうかといった検討を加えるので、最終的に整理をしながら一つの秩序ができあがっていくことになる。これもまた現実世界のキャビネットの一部の入れ替えだけではなく、パソコンデータの一部を入れ替えることも同じなのだとなんだか納得。非常に面白いし、電車の中でも読みやすい「新書サイズ」なのだが、テキスト部分がほとんどなのに価格設定が定価1,000円はちょっと高いかな、という印象。マーケティング的にいうと他の新書シリーズは1,000円を切っているのに、この「携書」シリーズはそのそれぞれの単価(P)が異常に高い。表紙のカバーも白と黒の1色で造本になにか特殊な原価が発生するという造りでもないので価格設定は今後ぜひとも見直しをお願いしたいもの。

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