2009年1月28日水曜日

「信用偏差値」~あなたを格付けする~(文藝春秋)

著者:磐田昭男 出版社:文藝春秋社 発行年:2008年
 電子マネーやクレジットカードなどが普及している現在、その「履歴」から消費者の信用度が計測される時代が到来しつつある。
 この本を読むまでは「要はクレジットカードのリボルビング払いなんてやっぱり利用しちゃだめだ」程度の認識だったのだが、クレジット・ヒストリーの信頼度を上げるのは「借りてからしっかり返す」履歴を積み上げていくこと。つまりいったんは何らかの借り入れをしてしっかり返済していること自体が信用度となる。最初からまったく借り入れを利用しない場合にはあまりクレジット・ヒストリーの信頼度が上がらないというのだ。
 返済履歴のほかにも、与信総額に対する利用総額の比率、クレジット履歴の長さ、ローン利用の実態、新しいカードを作ったかなどが信用偏差値の考慮用件となる。あまりカードを使わず、与信総額のうち最低限度の借り入れでしかもしっかり返済していることが大事…ということになりそうだが、こうした電子マネーやクレジットカードの履歴情報は「信用度」以外にも、マーケティングツールのデータとしても使用することが可能となる。このデータ、金融機関のみならず一般事業会社にも利用可能なデータベースになるほか、いったん大きな借金返済での失敗をすると後々、思わぬところで借り入れなどに支障をきたすことにもなりそうだ。これまでも「なるべく借金はしない」というのが日本人の美学だったが、これからは「きちんと返済してしかもクレジット・ヒストリーの信用度が高い」というちょっと進んだ金銭管理が必要になりそうだ。もちろん無理に借金する必要性などぜんぜん必要ないと思うけれども…。

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