2009年1月12日月曜日

幸せな経済的自由人の金銭哲学~マネー編(ゴマブックス株式会社)

著者:本田健 出版社:ゴマブックス 発行年:2008年
 ライフスタイル編とは異なり、若干「投資のすすめ」的な色彩が強まった続編。個人的には「すべての経済活動は交換ゲームと知る」というコラムが有用だった。商品には交換価値と使用価値とがある…というのが既存の学問だが、著者はそれをさらに発展させて、給料も労働力と交換したもの、コンビニの買い物も商品とお金を交換したものと列記した上で、「その交換比率を見極められる人」がお金持ちに慣れる人と断定している。同じ商品価値であれば同じ価格で売買されるべきだが、実際にはそうはなっていない。国内でもそうだが海外まで眼を向けると労働力は国内よりも現在は東南アジアのほうが安くなっている。こうした交換比率に眼を向けて、長い年月をかけて交換ゲームをしていく…という発想だ。短い交換ゲームではなく長期的な交換ゲームを続けて生きましょう…というだけでなく、交換で入手した新たな貨幣同等物を、生活費を差し引いた分だけ再投資することも進めている。これって明らかにマルクス経済学の簡略版と通じるものだが、労働力とお金の交換→お金の蓄積(資本蓄積)→投資(さらなるキャッシュ・フローを生み出す資産)といった循環サイクルを進めているのが面白い。マルクス経済学の本よりも「すべての経済活動は交換なんだ」と断定してしまうほうがわかりやすいし、実務的にもいろいろ考え方によってカスタマイズして利用できる考え方となる。この著者の本は、一定のファン層にかなり浸透しているのだが、難しいことをわかりやすく定義して、それをさらに自分自身の体験と重ね合わせてカスタマイズしているのが面白いところだ。メンターが必要という箇所も、自分自身がメンターをみつけたことによって、いかに変化したかが著述されているので、実用性に徹しているのが好感がもてる。本体価格は619円で十分に交換価値あり。

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