2009年1月14日水曜日

ユダヤ人大富豪の教え(大和書房)

著者:本田健 出版社:大和書房 発行年:2006年 評価:☆☆☆☆
 ゲラーというユダヤ人の大富豪に日本の青年がコーチングを受ける…という実際にあった話を小説風に加工した物語。「メンター」という一種の指導者がいかに大事かということが小説仕立てなのでよくわかる。日本のクラブ活動などにみられる先輩・後輩といった上下関係ではなかなかつかめない存在だし、日本企業でもこうしたメンターといった存在は一部のコンサルタント系の会社以外はなかなかみつからないのではないか。提供したサービスの質と量で対価としての報酬額が決まるという基本原則から「好きなことをしていないとなかなか成功できない」というあたりまえのことを認識させてくれる。「いやいや」仕事をしているパン屋さんと「好きでたまらない」とがんばるパン屋さんとでは当然顧客層もパンが好きな職人さんのいるほうへ足を運ぶだろう。利益ばっかり考えている花屋さんが花が好きな花屋さんほど成功しない理由もこの本を読むとわかる。利益市場主義が必ずしも成立しないのが、この「商売」というものなのだ。
「自分の内面とおりあいをつけること」という流れは一種オカルトぽい著述ではあるが、しかしまったく正しい。自分の中にも批判の声はあるわけで相反する主張を自分なりに「折り合い」がついていなければ、行動しようとしても行動できないだろう。「タイトル」はやや「なんだかなあ」というタイトルだが、内容としては適切なメンターが近くにいない人に最適な内容だ。

0 件のコメント: