2009年1月4日日曜日

口コミ伝染病(フォレスト出版)

著者:神田昌典 出版社:フォレスト出版 発行年:2001年
 「口コミ」が注目されて久しいが、意図的に口コミを作り出そうとしてそれに成功した事例はやはり少ない。多少は口コミというのもあるが最終的には実際に現物をとってみてそれから考える…というケースがほとんどだ。現在ではハイテク機器や家電などではパソコン雑誌や価格.comなどがあるが、「伝染性の高いツール」というのは案外この本で紹介されているようなオリジナルでしかもwordなどは使用していない手づくり的なパンフのほうかもしれない。パーソナルな情報を入れてニュースレターを作成していくという方法は確かに使えそうなのだが個人情報保護の観点からあまり大量に配布されても困る…という社員も少なからずいるはずで、そのあたりの調整は難しそうだ。ただこれまでの既存のマーケティング方式とは異なり、商品企画の段階で「集団で話しやすい商品かどうか」「マスコミが取り上げやすい商品かどうか」といった視点が盛り込まれるのは確か。期待度を低くして現実の驚きを演出するなどといった「落差」の効果も確かにありそうだ。「見てくれは非常にみすぼらしくてアナログなのに使ってみるとどんなハイテク製品よりも使いやすい…」といった落差などは口コミの一つの要因になるかもしれない。マルコム・グラッドウェルの著作や「チーズはどこに消えた?」などが参考文献として挙げられており、この本をきっかけにそうした参考文献にも手を広げてみるのも悪くはない。

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