2009年1月29日木曜日

情報のさばき方(朝日新聞社)

著者:外岡秀俊 出版社:朝日新聞社 発行年:2006年
 「物の形で情報を管理しようとしない」というアドバイスが個人的には有用だった。どうしても書籍なりメモなりといった目に見える形で保存しようとするが、学者とか大富豪でもないかぎりそうした情報管理ではいずれ物理的に限界がくる。インデックス情報、つまりどこにどんな情報があるのか、だけを抑えておいて、それをリストアップさえしておけば、書籍などがとる面積は減少する。一度読んだ本でもまた図書館に行けば再読できるというケースでは、逆に言うとわざわざ自宅で保管しておく必要性はないわけだ。
 またいったんメモをとったあと、赤ペンや青ペンでメモそのものを加工していくという方法も気に入った。メモのとりっぱなしではまったく役に立たないがICレコーダーなどを活用してまた同じことを聞きなおす場合、一度目とは違った視点で理解できることもある。それを色違いのペンで記入して再整理していくのはばらばらの事象をつなげていく効果があるに違いない。
 さらにピラミッドのような文章設計図や断片情報を積み重ねて中枢部にいたるというアプローチは独学で特定の分野の理論を理解していこうという立場の人間にとっても有用なスキルだと思った。どうしても新聞記者などジャーナリスティクな方面のマニュアルのように思えてしまうタイトルだが、実際には学生にも一般の社会人にとっても仕えるスキルが多数紹介されている。特に営業関係の方々が業界ニュースなどをまとめていくのにはけっこう役に立つ部分が多いに違いない。

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