2010年12月5日日曜日

パクス・ロマーナ 中巻(第15巻)(新潮社)

著者:塩野七生 出版社:新潮社 発行年:2004年(文庫版) 本体価格:400円(文庫版)
初代皇帝アウグストゥスの45歳から57歳までの時代を取り扱っている中巻。少子化対策をおこなうとともにカエサルの施策にヒントを得たローマ市民権の強化、さらには「家族」を単位とした国家編成に乗り出していく。また多神教のローマで宗教の再興に取り組み、最高神祇官に就任。質素で健全、さらに壮麗な社会整備に乗り出していく。文庫本48ページにプトレマイオスの世界地図が掲載されているが、現在の世界地図ともさほど変わらない正確さで地理が記載されており、ゲルマン民族やガリア民族などの統治や防衛戦略もこの地図をもとにして立案していったものと思われる。軍事戦略も地図上に見事に展開され、106~107ページの地図を見ると、ローマ帝国の海軍基地や軍団基地が陸海ともに合理的な配置をみせていることがわかる。そしてアウグスティスは55歳になる前に、これまで自分を支えてきたアグリッパ、ドゥルースス、マケエナスの死とティベリウスの引退という事態に直面する…。

0 件のコメント: