2010年12月12日日曜日

賢帝の世紀(中)(第25巻)(新潮社)

著者:塩野七生 出版社:新潮社 発行年:2006年(文庫版) 本体価格:362円(文庫版)
複雑で、かつ気難しい面もあった皇帝ハドリアヌスの時代となる。ギリシア文明と狩猟を趣味としていたこの皇帝は、法務官、執政官をへて、若干不遇の時代をへてから、皇帝へ。就任直後、4人の有力者を殺害、汚点となる。ここで著者は「力量」という言葉を用いているが、個人のモラルと君主のモラルは異なる旨の断り書きを入れている。定刻内の視察旅行などを含めて自分自身の目で確認して政策を実行。巧みな政治で軍事費の縮減にもつなげていく。ルールの厳守と軍人ではヌメルスという一種の期間軍人制度を採用。さらにブリタニアには有名なハドリアヌスの防壁を築く。夢を見ると同時に現実妥当性のある政策を打ち出していく。さらにローマ法の再構築作業に乗り出す(後にユスティニアスによるローマ法大全につながっていく)。

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