2010年12月21日火曜日

キリストの勝利(上)(第38巻)(新潮社)

著者:塩野七生 出版社:新潮社 発行年:2010年(文庫版) 本体価格:400円(文庫版)
そしてコンスタンティヌス帝の死亡後の内乱をむかえる。最終的には息子のコンスタンティウスが単独の帝位の座につくのだが、当初の意思決定が思わぬ結果をむかえ、あまり先のことまで考えずにライバルを蹴落としていった…という感じが強い。その後いわゆる「背教者」ユリアヌスの時代を迎えるが、こちらは逆に苦労人。ただしアンチキリスト政策が強くですぎて、こちらも謎の「戦死」となるはずだが、この巻ではまだ雌伏の時代からガリア地方の鎮圧を副帝としておこなうまでの時代が描写されている。哲学をメインに勉強していたユリアヌスが貴重な現場のたたき上げの副官から教授されて実際の戦闘に勝つくだりはなかなかカタルシスに満ち溢れている。だがこれは史実なので、人間書籍から現実にはいってもしかるべき補佐なりなんなりがあれば、まあ何とかなるっていうことでもある(?)…

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