2008年1月3日木曜日

新訂現代簿記(第4版)

著者名;中村忠 出版社;白桃書房 出版年度;2007年
 簿記入門書としてはあまりに有名すぎる本の第4版。宣伝用の帯には「会社法」対応と記してあったが、残念ながら一部に(たとえば282ページなどには「繰越利益」、「未処理損失」との表示が…)旧商法会計の名残もあるがやはり勘定科目の書き方や帳簿のつけ方など基本に忠実な点は一橋大学の会計学の伝統継承を感じる。本支店会計などには補遺として直接控除法についても説明。検定試験についても配慮がみられ、一部に更新されていない部分があるとしても大学の教養学部などのテキストとしてはまだまだ利用されることが多いだろうと思う。個人的には91ページに掲載されている固定資産台帳の具体的な図や130ページから131ページの受託販売勘定のあっさりした説明がやはりわかりやすいと思う。補遺の「手形割引の処理」も支払割引料勘定に対する著者の考えがみられて興味深い。第4版から2色刷りとなり、わかりやすさもさらに増加したうえ、ある程度簿記学習が進んだ方にもお勧めの一冊。あとはといえば価格が現在本体価格1905円。もちろんこうした簿記専門書籍の市場性が現在厳しいのはわかるのだが、もう少し値段が下がると嬉しい。

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