2008年1月7日月曜日

脳をめぐる冒険

著者:竹内薫・藤井かおり 出版社;飛鳥新社 出版年度;2006年
 童話調でしかもかわいいイラストつきで、ある日突然に自分の「脳」の中を少年と旅する青年の話。一種科学的でもあるのだが、やはり大人のための童話ともいえるのかもしれない。脳の中身を旅していくうちに根源的な自分の中に忘れ去っていたものを見出す物語…といえばこれまでファンタジー系ではいくつかみられた素材だがそれを科学的な話で展開するとどうなるかという実験作品ともいえるだろう。ある意味コンテンツを詰め込みすぎて失敗しすぎた印象もあるのだが、実験作品とわりきればしょうがない面もある。ストーリー仕立てで何かを説明しようとする手法は一時期はやったもののケースによっては図版一枚を印刷したほうがより具体的な説明になるケースもありバランスが難しい。ともあれこうした書籍をまだ印刷して編集しようという意欲が飛鳥新社にみられるのは嬉しい。

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