2008年1月22日火曜日

世界性生活大全

著者名;桐生操 出版社;文藝春秋 出版年度;2007年
 単行本を文庫化したものだが、よくもまあ、ここまであれこれエッセイ風に面白くまとめてくれたものだ…と思う。エロスの章、結婚の章、ファッションの章、トイレの章と4つの章に区分され、人工ペニスやハイヒール、コルセットなどの「物理的道具」に関するエピソードや性病や純潔協定などの文化史、結婚にまつわる「不能裁判」など世界史の中から「性生活」に関するエピソード(とシモネタ)をうまく読み物風にまとめてくれている。ローマ・ギリシア時代から19世紀まで、読み通していると、人間ってあまり時代に左右されないで、いろいろ「生活の知恵」を働かせているなあなどと感慨にふける思いも…。ただこうしたエピソードは2000年以上も人類が生活している中でえりすぐりのものばかりだから、逆に考えると大方の「普通の人々」ってエピソードにもならないことの蓄積だったようにも思える…。本体価格571円。文藝春秋らしからぬカストリ雑誌風の「表紙」もまたなかなかいい。

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