2007年8月19日日曜日

人生練習帳

 斉藤孝著・草思社・2007年
 「通過儀礼」とか「偶然と必然」というのは高校時代に考えていた以上に社会では大きな力と意味を持っていた…ように思う。やはり礼儀というのはそれなりの時間と必然性をへて今に至るわけで、先祖代々続いている儀式なり伝統なりといったものがもつ「力」に対して鈍感でありつづけるわけにはいかない。お盆などで里帰りをする自動車の列がその事実を画像にしてくれている。別に里帰りをするのに日本全国で同じ時期に集中しなくてもよさそうなものだ…と昔は思っていたが、最近はやはりそれもある種の大人への「通過儀礼」なんだ、と思えるようになった。ああいうラッシュを乗り越えていくのが日本で生きるということなんだな、と。
 自分自身の生活の細かな一面を鋭く見直す機会を与えてくれる一冊。内容的には「?」という部分もあることにはあるが、生活の細やかなところで、新たな発見をさせてくれるきっかけにはなる本だと思う。

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