2007年8月19日日曜日

新平等社会

著者名;山田昌弘;発行年(西暦)2006;文藝春秋
 気鋭の社会学者らしい統計データと仮説に満ちた書籍。生活分野の構造改革のためにどうするべきかという視点から現状の分析と将来への政策提案が行われてい る。「人間が自由に行動すれば格差は必然的に生じてくる」という非常に意味が深い箴言というか断定から導出される結論は、「狭い自分の視野」を拡大させて くれる。最初はどきっとするような断定が実は書籍全体を「読ませるための筆者の工夫」であって、あっという間にラストまで読んでしまう(あるいは読み進め てしまう)という「仕掛け」に満ちた文章構造。こういう文章の組み合わせの妙がまた素晴らしい。これまでの本で筆者が仮説の「たとえ」に用いていたパイプ ライン構造の分析がさらに精緻化。わかりやすくて面白い。ベストセラーになるのも当然かも。

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