2007年8月19日日曜日

インターネットの法と慣習

著者名;自由秀彰 ソフトバンク新書;2006年
 法が正当性を持つ背景などかなり高度な法学入門だと思う。一種の国際比較法的な視点も著述されており、大陸法、英米法として国内法の「制度」の違いの説明とウェブ上での法規制がどうあるべきかということまで紹介。ローマ市民法や教会法などから話が始まるため最初はとっつきにくい面があるかもしれないが、現在、明確な言論規制とか統一基準がない掲示板などに今後予想される「法規制」をあみとくヒントがこのローマ法や開拓時代のアメリカにあるとする著者の想像力はけっして的外れではない。またポリシー・ロンダリングという言葉を用いて国際機関と国内法との関係まで考察されており、条約と憲法が同じ程度の重要性をもつという一般書籍で著述されている「こと」についての問題点もあぶりだし。法学、法社会学、法歴史学の格好の入門書だと思う。

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